A story to share together
レオとピップのしずかなみち
レオと光る妖精のピップは、ひとりぼっちのクラスメイトに気づき、自分たちらしい穏やかな方法で一緒に遊ぼうと誘います。


Page 1
学校の庭は、みんなの元気な声でいっぱいでした。レオは青いオーバーオールを風になびかせ、ロケットのように花壇の横を駆け抜けます。その隣では、光る妖精のピップも、やわらかく光りながら一緒に飛んでいます。ふたりは、明るい朝の芝生の上で影を追いかけっこする、速くてにぎやかな遊びが大好きでした。

Page 2
レオは大きなオークの木のそばで立ち止まり、息を整えました。すると、木製のベンチにひとりで座っているサムを見つけました。サムは頭を低くして、肩をすぼめていて、いつもより小さく見えました。レオの胸がドキドキしました。チクチクとした不安な気持ちがして、思わず目をそらしたくなりました。

Page 3
ピップは光を弱め、やさしい薄紫色になりました。そして、レオの肩をそっとたたきました。レオは自分の手がぎゅっと握りしめられていることに気づきました。鼻からゆっくりと息を吸い込み、口から吐き出しました。チクチクした気持ちは残っていましたが、さっきほど鋭くは感じなくなりました。

Page 4
レオはベンチの方へ歩いていきました。走ったり、大声を出したりはしません。レオはベンチの端っこに、十分なスペースを空けて座りました。ピップは空中で静かにホバリングしながら、相手を尊重して少し離れた場所にいました。レオは葉っぱの上をゆっくり歩くテントウムシを見つめながら待ちました。もう、心は落ち着いていました。

Page 5
サムが顔を上げました。その目は大きく、不安そうでした。レオは小さく、やさしく微笑みました。追いかけっこや鬼ごっこをしようとは言いません。そのかわりに、レオはテントウムシを指さして「ゆっくり旅をしているね」とささやきました。サムは少しだけ身を乗り出し、テントウムシを見つめながら、肩の力が少しだけ抜けました。

Page 6
サムが小さな声で言いました。「今日はにぎやかな遊びはしたくないんだ。耳が痛くなっちゃうから」。レオはうなずきました。その気持ち、よくわかります。ときどき、世界が速すぎるように感じることがあるからです。レオがピップを見ると、ピップはあたたかな黄金色に光っていました。ふたりの静かな選択を喜んでいるようです。

Page 7
レオは、自分たちが正しいことをしているか確かめたくなりました。遊び場の方を見ると、ゲイブル先生が見守っていました。レオが手を振ると、先生は微笑んで親指を立ててくれました。先生が近くにいるとわかって、レオはもっと安心しました。自分たちらしい方法で遊んでも大丈夫なんだと思えました。

Page 8
ふたりは面白い宝物を探すことにしました。サムはつるつるした灰色の小石を見つけ、レオは丸まったどんぐりを見つけました。ピップはふたりの周りを飛び回り、茂みの下の暗い場所を照らしてくれました。走らなくても楽しめる、いつもとは違う冒険でした。

Page 9
ふたりは一緒に座り、見つけた宝物を円形に並べました。サムが心からの大きな笑顔を見せてくれました。レオも幸せな気持ちになりました。友情とは、同じ遊びをすることだけではなく、相手が何を必要としているかに気づき、静かな場所で隣同士に寄り添うことなのだと気づきました。

Page 10
チャイムが鳴り、休み時間の終わりを告げました。レオとサム、そしてピップは一緒に立ち上がりました。友達になるために、騒がしくする必要なんてありません。教室へ戻る道すがら、レオは思いました。不安になったときはいつでも、立ち止まって深呼吸をして、新しいやさしい方法を探せばいいんだと。



