A story to share together
トビーとりんごの木のひみつ
こうきしんおうせいな男の子トビーは、葉のないりんごの木にきれいな花がさき、あまい赤い実がなるのを見つめながら、しぜんのふしぎなめぐりを知っていきます。


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小さなトビーは、どんなおやつよりも、シャキシャキした赤いりんごが大すきでした。ある晴れた春の朝、トビーはレオおじいちゃんのみどりの果じゅえんへ走っていきました。朝ごはんにあまいりんごをもぎたてで食べたかったのです。

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トビーは大きなりんごの木を見上げましたが、実はひとつもなっていませんでした。葉っぱのない木のえだには、小さな茶色い芽がついているだけです。トビーはがっかりして、肩を落とし、ため息をつきました。

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レオおじいちゃんは、トビーの小さな手をにぎり、やさしくほほえみました。そして、しぜんがあまいごちそうをとどけるには、時間がかかるんだよとおしえてくれました。やさしい昔からの木は、まず長くてつめたい冬のねむりから目をさまさなければならないのです。

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なだらかな草の丘に、あたたかい雨がしとしととふりそそぎました。つよい木は、地中深くにのびた根から、つめたい水をゴクゴクと飲みました。トビーは台所のまどから、あざやかなみどりの葉っぱがくるくると開いていくのを見つめていました。

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やがて、木いっぱいに、かわいらしいピンクと白の花がさきました。ぶんぶんととぶ黄色いハチたちが、花から花へとまいおりて、きん色の花粉をふりまきます。トビーは、まわりからきこえてくるやさしい羽音に、うれしそうにくすくす笑いました。

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やわらかな花びらがあたたかい風にふかれてまい散ると、小さなみどりのふくらみがあらわれました。レオおじいちゃんは、トビーをたかだかと抱きあげました。トビーは、とてもたいせつそうに、ひとつの小さくて青いりんごにそっとふれました。

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夏のあかるい太陽が、空高くからぽかぽかと照りつけました。木はきん色の光をたっぷりあびて、大きく育つ実にえいようをあたえます。一週間、また一週間とすぎるうちに、丸くて小さな実たちは、どんどん大きく、つよく育っていきました。

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秋がさわやかな風をつれてくると、みどりの皮はつやつやとしたルビーのような赤色にかわりました。おいしそうな丸い実の重みで、太いえだがぐっと下までしなっています。トビーは、心からのよろこびで手をたたきました。

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レオおじいちゃんは、りんごを少しひねって、えだからやさしく持ちあげてもぐ方法をトビーに見せてくれました。小気味よいポキッという音とともに、赤い実は葉っぱのしげったえだからはなれました。それは、トビーの両手にすっぽりとおさまりました。

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トビーが大きくジューシーにかじりつくと、あまい太陽と雨の味が広がりました。トビーはありがとうの気もちをこめて、どっしりとした木の幹をぎゅっと抱きしめました。こうしてトビーは、すてきなものは、やさしいしんぼうづよさとあいで育つことを学んだのでした。


