A story to share together
Pipのあまいリンゴえん
やさしい小さなハリネズミがふしぎなリンゴの木をみつけ、あまいごちそうはお友だちとわけあうともっとおいしくなることをまなぶおはなし。


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ささやきの森のおくふかくで、やさしいハリネズミのPipがおなかをペコペコならして目をさましました。Pipはおきにいりのマスタードイエローのマフラーを、くびのまわりにきちんとまきました。きょうは、あさのおさんぽにぴったりの日のようでした。

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Pipは、小さな編みカゴをもちながら、くねくねとした森のこみちを歩きました。あたまの上では、エメラルド色の葉っぱのすきまから木もれ日がダンスをしていました。そのときとつぜん、あまくておいしそうなかおりがはなをくすぐり、Pipのハリはうれしさでゾクゾクとふるえました。

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まがり角のむこうに、Pipがこれまでに見たこともないような、すばらしいリンゴの木が立っていました。そのえだには、ピカピカと光るルビーのようにまっ赤なリンゴが、ずっしりとなっていました。Pipは「わぁ!」とよろこんで、大きくてピカピカのリンゴを3つ、カゴのなかにあつめました。

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Pipは、ひとつめの赤リンゴを大きなお口でシャキッとかじりました。サクサクで、果汁がじゅわっとあふれて、とってもあまかったです。Pipは、一しゅうかんずっとごちそうをたのしめるように、リンゴをぜんぶ自分だけのものにしておきたくなりました。

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ちょうどそのとき、ウサギのBellaが、青緑色のエプロンドレスをきて広場へピョンピョンとはねてきました。Pipのちかくでとまると、Bellaのおなかがグーッと大きな音をたてました。Bellaは、大きく見開いたきたいの目で、うれたリンゴを見つめました。

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Pipは、こころのなかでなやみながら、カゴをギュッとだきしめました。リンゴがだいすきだったけれど、Bellaがとてもおなかをすかせているのがわかりました。Pipはしんこきゅうをして、やさしくにっこりわらうと、ピカピカのリンゴをひとつ、Bellaの足もとへところがしてあげました。

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Bellaは一口かじると、うれしそうにピョンとはねました。するととつぜん、リスのSammyが青いぼうしをととのえながら、たかいえだからとびおりてきました。Sammyはおなかをさすりながら、自分もリンゴにとどいたらいいのになぁといいました。

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Pipは、カゴのなかにのこったさいごのリンゴを見つめました。これをあげてしまったら、カゴはからっぽになってしまいます。でも、Bellaのうれしそうなすがたを見て、Pipの心はポカポカとあたたかくなりました。そこで、よろこんでSammyにリンゴをわたしました。

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Pipがおどろいたことに、Sammyは木の幹をササッと駆けあがり、あたらしい3本のえだをゆすりました。やわらかいクローバーの上に、たくさんのあまいリンゴがバラバラとおちてきました。3びきのなかよしのお友だちは、いっしょにわけあうための大きなくだものの山をあつめました。

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こうして、3びきのお友だちはあたたかな日ざしのなかにならんですわり、日がしずむまでいっしょにクスクスわらいながらモグモグと食べました。Pipは、おいしいごちそうはお友だちとわけあうと、いつだってずっとあまくなるのだとまなびました。そしてその日からはもう、だれもひとりで食べることはありませんでした。


