A story to share together
マヤの月日記
天文学者のおばあちゃんと一緒に、街の屋上で月の満ち欠けを観察し、太陽の光が月に反射する仕組みを学びながら日記に記録していく物語。


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街の明かりが下でハミングしている中、マヤは屋上へ続く最後の階段をのぼりました。冷たい風に、からし色のカーディガンをしっかりと羽織ります。頭上には、ベルベットのような深い藍色の空が広がっていました。おばあちゃんのイマニは背の高い望遠鏡のそばに立ち、遠くの街灯の淡い光が、彼女の銀色の三つ編みを照らしていました。

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イマニおばあちゃんは丸い眼鏡を鼻の頭に押し上げ、にっこりと笑いました。今夜の月は、街のスカイラインの上に浮かぶ、細くて繊細な三日月です。マヤは真っ白なノートをしっかりと握りしめました。夜の秘密を追いかける天文学者のように、空の日記を書き始める準備は万端です。

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マヤは望遠鏡をのぞき込みました。月は、暗闇の中で光る爪の先のように見えます。どうしてこんなに形が変わるのでしょう?おばあちゃんは、月は自分では光らないのだと教えてくれました。月は鏡のように、遠く離れた太陽の光を反射しているのです。

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おばあちゃんは指で空中に円を描きました。月が地球の周りを回るにつれて、太陽に照らされた部分の見え方が変わるのです。満月のように明るいお皿に見えることもあれば、影に隠れてしまうこともあります。マヤはノートを開き、細く光る三日月を描き始めました。

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マヤは慎重に曲線をスケッチし、鉛筆で暗い部分に影をつけました。まるで宇宙探検家になった気分です。ページのいちばん上に、日付と時間を書き込みました。屋上の庭を星と月が見守る中、街はとても静かに感じられました。

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おばあちゃんがのぞき込んで、スケッチを見ました。完璧な出来栄えです。おばあちゃんはマヤに、あと数日したらまた見てごらん、三日月はもっと太くなっているはずだよ、と言いました。月が地球の周りを進むにつれて、太陽の光が月の表面をもっとたくさん照らすようになるからです。

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マヤは広大で暗い空を見上げました。自分の顔を照らす月の光が、太陽からやってきて、岩だらけの月にはね返り、今まさにこの屋上に届いているなんて、本当に不思議です。自分はとても小さい存在だと感じましたが、そのすべてを見ることができて、とても幸運だと思いました。

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マヤは日記のページをめくり、次の記録の準備をしました。毎晩戻ってきて、変化を追いかけるつもりです。描いた絵のひとつひとつが、空を旅する月の物語を語ってくれるでしょう。それは決して終わることのない、光と影のゆっくりとしたダンスなのです。

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イマニおばあちゃんは、慣れた手つきで望遠鏡を片付けました。マヤは日記をポケットに大切にしまいました。ふたりは夜の一部を紙の上に閉じ込めたのです。屋上はふたりだけの秘密の観測所であり、忙しい街と静かで輝く宇宙をつなぐ架け橋のように感じられました。

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ふたりは屋上のドアに向かって歩き出し、月を静かな仕事へと残していきました。マヤは、光がどう変わったかを確認するために、すぐにまたここへ戻ってくることを知っていました。空にはたくさんの物語があり、マヤは自分だけの月日記に、その物語を書き始めたばかりなのです。



